五年来、われわれは行政管理体制の改革を絶えず深化させ、政府の機能の転換を速め、新段階の政府機構改革を全面的に達成し、法律に基づいて行政をしっかり行い、法治政府とサービス型政府の建設に取り組み、政務の公開化を推し進め、行政問責制度を強化し、たゆむことなく反腐敗闘争を繰り広げ、政府自体の整備は積極的な進展を遂げた。
この五年間はわれわれが一歩一歩歩んできたもので、中国人民は誇りとすべきである。五年来の成果は生易しいものではなかった。これは、胡錦濤同志を総書記とする党中央が全局を統括し、正しい指導を行ったたまものであり、全党、全国各民族人民がともに努力して奮闘したたまものである。ここに、私は国務院を代表して、全国各民族人民、民主諸党派、各人民団体および各界の人びとに、心から感謝の意を表すものである。香港特別行政区の同胞、澳門特別行政区の同胞および台湾同胞、並びに在外華僑同胞に対して、また中国の現代化事業に関心を寄せ、後押ししてくれた世界各国の政府、国際機構及び各国の友人の皆さんに対して、心から感謝の意を表すものである。 われわれは、わが国の発展におけるアンバランスや、調和がとれず、継続性が保てないという問題が依然として際立っていることを冷静に見て取っている。それは主として、経済成長に対する資源、環境の制約が強まり、投資と消費のバランスが崩れ、所得分配の格差が拡大し、科学技術イノベーション能力が弱く、産業構造が合理的ではなく、農業の基盤が依然として脆弱で、都市と農村の地域発展にアンバランスが見られ、雇用総体の圧力と構造的な矛盾が併存し、科学的発展を制約する体制、機構上の障害が依然として多い、ということである。そしてまた、サービス業の付加価値の割合、サービス業の就業比率および研究開発費支出のGDPに占めるウェートは「第十一次五ヵ年計画」の目標を達成できなかった。もう一方、一部の大衆が強く不満を抱く問題も根本的に解決されておらず、それは主として以下のようなものである。質の高い教育や医療の資源が不十分であるし、配置も不均衡であること。さらに物価上昇の圧力が高まり、一部の都市において住宅価格が急騰していること。違法な土地収用や家屋取り壊し立退きなどが引き起こす社会的矛盾が増えていること。食品の安全問題が目立っていること。一部の分野においては腐敗現象が深刻化していること、などである。われわれは必ずや国と人民に対する強い責任感をもって、骨の折れるきめ細かな活動を行い、たゆまぬ努力を続け、これらの問題の解決を急ぎ、人民が満足できるようにしなければならない。
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