（五）社会的事業の発展を加速させ、民生を着実に保障し、改善した。あくまでも経済と社会の調和の取れた発展を目指し、民生の改善を軸に発展を図っていくことを堅持した。経済・社会の発展では雇用を優先させた。職業養成プログラムと就業サービスを強め、大卒生や農村の移転労働力および都市部における就職困難者の就業を促進し、除隊・退役した軍人の再就職にしっかり取り組んだ。労働契約法と雇用促進法を実施し、最低賃金ベースを全般的に引き上げ、調和のとれた労使関係の確立を推進した。都市と農村をカバーする社会保障システムの整備に大きな進展が見られ、都市部職員・労働者を対象とした省レベルの養老保険プール制度を確立し、省に跨る養老保険ポータビリティー規定を実施し、企業の定年退職者の基本養老金は七年連続して増額し、年平均一〇％引き上げた。新しいタイプの農村社会養老保険が二四％の県で試験的に進められた。積極的かつ穏当に医薬・医療衛生体制の改革を推し進め、都市部住民向けの基本医療保険制度と新しいタイプの農村合作医療制度を全面的に確立し、一二億六七〇〇万の都市・農村住民に実益をもたらした。最低生活保障制度は全国をカバーし、都市と農村の社会救済システムは基本的に確立され、社会福祉、優遇・扶助・再配置、慈善事業及び障害者保障には新たな進展が見られた。全国の社会保障基金の積立額は七八一〇億元となり、五年前に比べて五八〇〇億元以上増えた。保障タイプ住宅の建設やバラック地区の再開発を大いに実施することにより、一一〇〇万世帯の困窮家庭を新しい住宅に入居させた。われわれはあくまでも全国民が養老、医療、住宅の面で保障を受けられるように努めなければならない。国の中長期教育改革と発展計画要綱を制定、実施した。全国財政から教育に振り向けた支出は五年間で累計四兆四五〇〇億元で、年平均二二・四％増となった。都市と農村における義務教育の学費免除を全面的に実現させ、すべての適齢児童が「学費なしで入学できる」ようになった。義務教育段階の教師を対象とした業績給制度を全面的に実施した。中等職業教育をうける農村困窮家庭、都市部低所得家庭および農業専門の学生を対象とする学費無償化を実施した。国の学資援助制度の実施を加速させ、財政投入は二〇〇六年度の一八億元から二〇一〇年度の三〇六億元に増え、カバーする範囲は大学から中等職業学校や一般の高校にまで拡大され、合わせて約二一三〇万人の学生が学資援助を受けた一方、さらに一二〇〇万以上の義務教育段階の寄宿生が生活補助金を得た。農村における老朽化した小学校、中等学校の校舎の改築および職業教育のインフラ整備を速めた。高等教育の質とレベルを全面的に引き上げ、大学の創造・革新の能力を高めた。国の中長期科学技術発展計画要綱を制定、実施し、中央財政から科学技術分野に年平均二二・七％増の六一九七億元を計上したことにより、一連の重要な成果を収めた。末端の医療衛生のサービス能力づくりに力を入れて取り組んだ。国の財政から特別資金を計上して、二万三〇〇〇の郷鎮診療所や一五〇〇の県立病院、五〇〇の県立中国医学病院および一〇〇〇の県立女性・児童保健院を新築、改築し、二四〇〇のコミュニティー医療衛生サービスセンターを整備した。国の中長期人材発展計画要綱を制定、実施した。人口計画の目標をスムーズに実現させた。文化体制の改革には重要な進展が見られた。公共の文化サービス体系の整備は目に見えて速められ、文化産業はめざましく発展している。哲学・社会科学と報道・出版、ラジオ・映画・テレビ、文学・芸術の繁栄、進歩を図っている。都市と農村の公共スポーツ施設の整備は加速し、全国民の健康増進活動は盛んに広がっている。法整備を全面的に推し進め、法律普及の「第五次五ヵ年計画」を順調に実現させた。社会管理を革新、強化し、社会の調和と安定を維持した。

四川省汶川地震など深刻な自然災害の対処において大きな勝利を収め、汶川震災の復興は二年間で三年分の任務をほぼ完成し、青海省玉樹巨大地震と甘粛省舟曲土石流の災害復興を秩序正しく推し進めた。災禍の苦しみを経験して、中国人民はさらに成熟し、自信を固め、強くなっており、中華民族の不(ふ)撓(とう)不(ふ)屈(くつ)、自ら向上してやまない偉大な精神は打ち負かされることのない力ではなかろうか。