(六)社会建設を強化し、民生を保障し、改善させる
経済が発展すればするほど、社会建設の強化及び民生の保障、改善を重視すべきである。
あらゆる方策を講じて雇用を創出する。引き続きいっそう積極的な雇用政策を実施する。今年度、中央財政は就業扶助、雇用創出に四二三億元を計上する。わが国の労働力の構造面の特徴を踏まえ、労働集約型産業やサービス業、小企業・零細企業、創造・革新型のハイテク企業を大いに発展させ、いろいろなレベルの就業のニーズを満たすように努める。引き続き大卒生の就業を最優先し、重点的な人々の就業支援活動を上手に進める。職業技能訓練を強化し、自主的に起業することを奨励する。公共の就職支援活動を強化し、統一され、規範化され、柔軟性にとんだ人的資源市場を健全化させる。求人の情報ネットワークの整備を急ぎ、全国的範囲で相互のアクセス、情報の共有を実現させる。労働保障に対する監察、法律の執行を強化し、労使紛争を処理する仕組みを充実させ、法律に基づいて労働者の権益を守り、調和のとれた労使関係を確立する。
所得分配関係を合理的に調整する。これは長期的な任務であり、また当面の差し迫った任務でもある。今年重点として三つの面で措置を講じる。①都市と農村の低所得者層の基本的収入の向上に力を入れる。職員・労働者の最低賃金や、企業の定年退職者基本養老年金、都市と農村住民の最低生活保障基準を着実に引き上げる。職員・労働者の正常な昇給メカニズムを確立し、充実させ、最低賃金制度を厳格に執行する。②所得分配の調節の度合いを大きくする。個人所得税の給与所得控除ベースを引き上げ、税率構造を合理的に調整し、中低所得者層の税負担を確実に軽減する。高すぎる所得を効果的に調節し、収入が多すぎる業種に対し、賃金総額と賃金水準をともに規制することを強化し、国有企業、金融機関の上級役員の所得を厳格に規範化する。③所得分配の秩序の整頓、規範化に力を入れる。不法所得を断固として取り締まる。所得分配に対する監視システムの確立を急ぐ。たゆまぬ努力を通じて、所得分配の格差が拡大する傾向をできるだけ早く是正し、広範な人民大衆が改革と発展の成果をいっそう共有できるよう努める。都市と農村住民をカバーする社会保障体系の充実化を速める。新しいタイプの農村社会養老保険のテスト作業の範囲を全国の四〇%の県までに拡大する。都市部住民の養老保険制度のテスト作業を推し進め、集団所有制企業の定年退職者の養老保障に関する長年来懸案となってきた問題を解決し、企業の定年退職者の基本養老年金の正常な調整メカニズムを確立する。政府機関と事業体の養老保険制度の改革を積極的に推し進める。国有企業と集団所有制企業の「労災保険条例公布前の労災認定者」をすべて労災保険の枠に組み入れる。都市と農村の最低生活保障制度を充実させる。引き続きいろいろなルートを通じて社会保障基金を増加させる。孤児の養育と教育および障害孤児のリハビリなどを財政保障の範囲に組み入れる。障害者の社会保障システムとサービス体系の整備を引き続き推し進める。社会保障管理の情報化の推進を速める。社会保障システムを充実させる中での保険会社の保険商品の役割を発揮させる。慈善事業の発展に力を入れて取り組む。不動産市場に対する規制を揺るぐことなく上手に行う。不動産市場に対する長期的で効果的な規制のメカニズムの健全化を急ぎ、都市部の中低所得家庭の住宅難を重点的に解決し、不動産の市場価格を確実に安定させ、住民の合理的な住宅需要を満たす。①保障タイプ住宅の建設規模をさらに拡大する。今年はさらに保障タイプ住宅とバラック地区再開発住宅を合計一〇〇〇万戸新築する。それと同時に、農村の老朽化した家屋を一五〇万戸改築する。公共賃貸住宅を重点的に増やす。
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