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温家宝総理の政府活動報告(2011年) | |
(四)経済構造の戦略的な調整を加速する
これは経済発展パターンの転換をめざす中心的な課題である。経済がいち早く内生的な発展の軌道に乗るよう、創造・革新をエンジンとして推進すべきである。 産業構造の調整・最適化に取り組む。現代的産業システムの構築を速め、産業パターンの転換と高度化を促進する。①製造業の改革・高度化に取り組む。企業の技術改良に一段と力を注ぎ、重点的には新製品開発とブランドづくりの能力を向上させ、エネルギー資源の総合的利用や、技術・生産工程のシステム統合のレベルアップを図り、製品の品質、新技術含有量と付加価値を高める。重点業種・企業の地域横断的な吸収合併・再編を推し進める。立ち遅れた生産能力の退出メカニズムと関連政策を完備させる。②戦略的な新興産業の育成と発展を速める。次世代の情報技術産業を鋭意発展させ、高性能のブロードバンド・ネットワークを整備し、電気通信、放送、インターネットの三つのネットワークを融合する「三網融合」を早急に実現させ、モノのインターネットのモデル事業と応用を促進する。省エネ・環境保護、新エネルギー、バイオ、先端装備の製造、新素材、新エネルギーカーなどの諸産業の発展を大きく推進する。標準の策定と関連政策の充実を急ぎ、イノベーション能力の開発を強め、科学技術型中小企業の役割を発揮させ、戦略的な新興産業の健全な発展を促し、生産能力やコアとなる技術的競争力をいち早く持たせるようにする。③サービス業を大いに発展させる。生産型サービス業の発展を加速し、生活関連サービス業を積極的に発展させる。ソフトウエア産業の発展と高度化に力を入れる。サービス業の発展に寄与する市場環境づくりに取り組み、サービス業の発展を支える政策体系の整備を速める。国が奨励するサービス業の電力・水道・ガス・熱供給については、工業とほぼ同一の料金体系を早急に構築する。④現代的エネルギー産業と総合運輸システムの整備を強化する。エネルギーの生産、利用方式の変革を積極的に行い、エネルギーの利用効率の向上を図る。在来エネルギーのクリーンな利用を推進し、インテリジェント送電網の整備を強め、クリーン・エネルギーの利用を大いに拡める。全局的な視点から、便利で安全で経済的で高効率の総合運輸システムの構築を速める。陸海の統一的計画を堅持し、海洋経済の発展を推し進める。地域のバランスの取れた発展を促進する。諸般の地域発展計画を全面的に実施し、西部大開発戦略の実施を地域発展の総体的戦略の優先的地位に置くことを堅持し、西部大開発の新十ヵ年関連政策措置とチベット、新疆などの地区の飛躍的発展を促す諸般の措置を真剣に実施する。東北地区など旧工業基地を全面的に振興し、資源型都市の経済パターンの転換を引き続き推し進める。中部地区の勃興を大いに促し、東西をつなぐ地域的優位をさらに発揮させる。東部地区の先行発展を積極的に支援し、体制と組織構造の刷新および発展パターンの転換において引き続き全国をリードさせる。深センなどの経済特別区や上海浦東新区、天津浜海新区の改革開放における先駆的かつ試験的な役割をさらに発揮させる。かつての革命根拠地、民族地区、辺境地区の発展を大いに支援し、二〇一一年から二〇二〇年までの中国農村貧困脱却扶助開発要綱を公布、実施し、多数の生活困窮者が居住している特別困難な地域での貧困脱却扶助面の難関突破プロジェクトを始動させ、貧困地区の貧困脱却と富裕化の実現のテンポを加速させる。積極的かつ着実に小都市化を推し進める。中国の特色ある小都市化の道を歩むことを堅持し、都市発展の法則を順守し、小都市化の健全な発展を促進する。科学的に計画し、厳しく管理することを堅持する。都市部のインフラと公共サービス施設の整備を強化し、都市の総合的受容能力を向上させ、管理とサービスのレベルを高める。労働関係が安定しており、かつ一定の年限、都市に居住している農民工を逐次都市住民にしていく作業を地元の状況に即して、段取りを追って一歩一歩進めていく。一時期定住条件が備わらない農民工に対しては、彼らの労働報酬、子女の就学、公衆衛生、住宅の賃借、社会保障などの面における実際的問題を上手に解決しなければならない。農民が都市に移籍するか、農村に残るかという問題の自主的な選択権を十分に尊重し、農民が請負っている土地や住宅用地などの合法的権益を確実に守る。小都市化は農業の現代化や新農村の建設とも相互に促進しあうべきで、これは堅持しなければならない正しい方向である。省エネ・環境保護と生態系整備を強化し、気候変動に積極的に対応する。工業、建築、交通運輸、公共施設などの分野の省エネ事業をとりわけ立派にやりとげなければならない。重点的な省エネ・プロジェクトを引き続き実施する。工業の省エネに力を入れて取り組み、省エネ技術を普及させ、省エネ設備を運用し、エネルギーの利用効率を高める。既存の建築物の省エネ改造への投入を大きくし、新築建物の省エネ化を積極的に推し進める。循環型経済の発展に力を入れて取り組む。低炭素都市のモデル事業を推し進める。気候変動に適応し、とりわけ極端な異常気象に対処する能力を強化する。温室効果ガス排出と省エネ・排出削減の統計モニタリング制度を確立し、充実させる。都市部の汚水処理関連施設網とゴミ処理施設の計画、整備を急ぎ、汚水の再生利用を普及させる。化学品関連の環境の管理を強化する。石炭火力発電所の脱硝作業をスタートさせ、微粒子汚染防止対策を強化する。海洋汚染対策を強化する。重点河川流域の水質汚濁対策、大気汚染の対策、重点地区の重金属汚染の対策、農村環境の総合対策の推進を急ぎ、農村部における面的な汚染を規制する。重要な生態系の復元プロジェクトを引き続き実施し、重点的生態系機能区の保護と管理を強化し、天然森林資源の保護の第二期工事を実施し、草原の生態系保護の補助・奨励政策を実施し、耕地の森林への復元と牧場の草地への回復などの成果を打ち固め、植林に大いに力を入れて取り組み、湿地の保護と復元を強化し、砂漠化・石漠化の総合対策を強化する。防災・減災のための事前の応急対策を完備させ、土石流の地質災害が起こりがちな地区への調査・評価、監視・早期警報、災害防止応急措置などの体制の整備を急ぐ。
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