今年は次のような幾つかの活動をりっぱに行わなければならない。

（一）物価総水準を基本的に安定させる

当面、物価が急激に上昇し、インフレへの期待が高まっているが、これは民生だけではなく、全局にもかかわる、安定に影響を与えかねない問題である。物価総水準の安定を図ることをマクロコントロールの最優先課題と見なし、わが国の主な工業製品の供給が全般的に需要を上回り、食糧の備蓄が潤沢で、また外貨準備高がわりあい多いなどプラスの条件を生かし、輸入型インフレや構造的インフレによるマイナスの影響の解消に努め、さらに生産要素のコストアップの圧力の払拭に取り組み、市場の期待を正しく導いて、価格上昇の傾向を断固として食い止めなければならない。経済的、法的手段を柱に、必要であれば行政的手段を加えて、価格に対するコントロールや監督・管理を全面的に強化しなければならない。①市場の流動性を効果的に管理し、物価の急激な上昇につながる通貨面の要因を抑える。政府の管理下にある商品・サービス価格の調整をタイムリーに、適正な段取りと度合いで進める。②生産を大いに発展させ、主要農産物や基本的な生活必需品、重要な生産財の生産と供給を保障する。「米袋」省長責任制と「買物かご」市長責任制を徹底させる。③農産物流通システムの整備を強め、「農超対接」（スーパーへの産地直送）を積極的に推進し、新鮮な農産物が滞りなく輸送される「グリーン通路」（通行料の無料化）を整備する。重要商品の備蓄制度と主要農産物の臨時買付・備蓄制度を充実させ、国の備蓄を適正なタイミングで活用し、輸出入による調節を上手に行い、市場へのコントロール能力を強める。④価格への監督・管理を強化し、市場の秩序を保つ。わけても、価格にかかわる法令の執行を強化し、悪質な操作や、価格カルテル、価格の吊り上げなどの不法行為を厳しく取り締まらなければならない。⑤補助金制度を充実させ、社会的救済・保障の基準を物価の上昇にスライドさせるメカニズムを構築し、健全化させ、物価上昇のために低所得者層が生活難に陥るようなことが絶対にあってはならない。

（二）内需、特に住民の消費需要の一層の拡大を図る

内需の拡大は、わが国の経済を発展させるための長期的な戦略方針と基本的な立脚点であり、経済のバランスのとれた発展を促進するための根本的な方途と内的要請でもある。消費需要の拡大を積極的に行う。引き続き消費の拡大にプラスとなる政府の支出を増やし、都市部の低所得住民と農民向けの補助金を増額させる。農村における家電普及のための補助政策と買い替え支援政策を引き続き実施する。農村部と中・小都市で商品流通や、文化・スポーツ、観光、ブロードバンド・ネットワークなどのインフラ整備を強める。文化、観光面の消費と高齢者向けの消費を大いに促進する。農村部でチェーン店経営と配送の一元化を推し進め、都市部で商業拠点の分布の最適化を図り、電子商取引やオンライン・ショッピング、地理情報など新しいタイプのサービス業態を鋭意発展させる。市場の秩序を大いに整頓し、規範化させ、消費者の権益を確実に守る。知的財産権の侵害と、ニセモノ・粗悪品の製造、販売に対する特別取締り行動を掘り下げて展開する。　投資構造の最適化に力を注ぐ。民間投資の奨励・誘導に関する国務院の新三十六ヵ条を確実に履行し、オープンで透明な市場参入基準と支援策を早急に作成し、市場参入への規制を適切に緩和し、さまざまな有形・無形の障壁を真に取り除き、民間の資金が基礎産業やインフラ施設、都市公共事業、社会的事業、金融サービスなどの分野へ流れるよう奨励、誘導する。また、民営企業の自主イノベーション増強と業態転換・高度化を推し進め、民間資本の再編・統合と国有企業改革への参入を奨励、誘導する。それと同時に、民間投資に対するサービスや指導、規範に基づいた管理を強化し、社会的投資の安定した成長と構造の最適化を促す。構造調整における政府系投資の誘導機能を十分に発揮し、建設中、継続建設中の重点プロジェクトを優先させ、「第十二次五ヵ年計画」に盛り込まれた重要プロジェクトの建設を順次スタートさせる。盲目的な投資と重複建設を防止する。投資プロジェクトの用地、省エネ、環境保護、安全などに関する参入基準を厳格に守り、投資の質や効果の向上に努める。