（二）政府系基金予算の執行状況

二〇一〇年度全国（中央と地方）政府系基金の収入は三兆五七八一億九四〇〇万元、全国政府系基金の支出は三兆二五八二億六四〇〇万元であった。内訳は次の通りである。

中央政府系基金の収入は三一七五億五七〇〇万元で、予算の一二四・三％を達成した。そのうち、長江三峡ダム・プロジェクト整備基金の収入五九億一六〇〇万元、鉄道整備基金の収入六一六億九二〇〇万元、港湾整備費の収入一一四億四四〇〇万元、民間空港管理・整備費の収入一三六億四一〇〇万元、宝くじ公益金の収入二四七億七三〇〇万元、大中型ダム建設による住民移転後期支援基金の収入一八三億四四〇〇万元、中央レベルの農村部電力網整備融資返済資金の収入九一億四四〇〇万元であった。二〇〇九年度の繰越金六三一億三四〇〇万元をこれに加えると、二〇一〇年度中央政府系基金の収入総額は三八〇六億九一〇〇万元となった。中央政府系基金の支出は三〇一六億七五〇〇万元で、予算の九四％を達成した。その内訳として、①中央レベルの支出は二二八四億五〇〇万元であった。ただ、この支出の中には、長江三峡ダム・プロジェクト整備基金の支出六九億八九〇〇万元、鉄道整備基金の支出五八二億元、港湾整備の支出八七億一五〇〇万元、民間空港管理・整備の支出四六億七六〇〇万元、社会福祉やスポーツ、教育など社会公益諸事業に用いた宝くじ公益金の支出一三九億一〇〇〇万元、大中型ダム建設による住民移転後期支援基金の支出四五〇〇万元、中央レベルの農村部電力網整備融資返済資金の支出一〇二億八七〇〇万元が含まれている。②地方への移転支出は一三三億四〇〇〇万元増の七三二億七〇〇〇万元で、二二・三％伸びた。このほか、中央政府系基金の次年度繰越支出は七九〇億一六〇〇万元であった。

地方レベルの政府系基金の収入は三兆二六〇六億三七〇〇万元で、予算の二〇一・九％を達成した。そのうち、国有土地使用権譲渡収入は二兆九一〇九億九四〇〇万元で、予算の二一三・二％を達成した。土地供給の増加や全般的な地価水準の上昇および徴収の管理強化などがその主因である。都市インフラ整備関連負担金の収入は六一〇億八七〇〇万元、宝くじ公益金の収入は二四三億六四〇〇万元、地方教育費付加収入は二四二億八二〇〇万元であった。中央政府系基金の地方への移転支出七三二億七〇〇〇万元を加えると、地方政府系基金の収入総額は三兆三三三九億七〇〇万元となった。地方政府系基金の支出は三兆二九八億五九〇〇万元で、予算の一七五％を達成した。そのうち、国有土地使用権譲渡収入を用いた支出は二兆六九七五億七九〇〇万元である。同支出の中には、土地収用・家屋立退き補償金などのコスト関連支出一兆三三九五億六〇〇〇万元、農村のインフラ整備や農民向け補助金などの支出二二四八億二七〇〇万元、安価賃貸住宅保障の支出四六三億六二〇〇万元、破産もしくは体制転換した企業の土地譲渡収入を用いた職員・労働者再配置などの支出三三三六億六三〇〇万元、都市不動産管理法の関連規定に基づく都市整備の支出七五三一億六七〇〇万元が含まれている。社会福祉やスポーツ、教育など社会公益諸事業に振り向けた宝くじ公益金の支出は二八八億一九〇〇万元、都市インフラ整備関連負担金の支出は四七九億六八〇〇万元、地方教育費付加の支出は一七七億四一〇〇万元であった。地方政府系基金の収入が支出を上回った部分は剰余金として翌年度に繰り越した。