本誌記者 繆暁陽
厲以寧氏(魏尭撮影)
3月6日午前、第11期全国政協第4回会議の記者会見が人民大会堂で行われた。記者会見のテーマは「経済発展モデルの転換を加速し、『十二五』(第12次五カ年計画)期間の経済・社会・科学の発展を促進する」であった。全国政協常務委員、全国政協経済委員会副主任で、北京大学光華管理学院の名誉学長、著名な経済学家でもある厲以寧氏ら7名の政治協商委員が出席し、記者の質問に答えた。席上で厲氏は、低所得者向け住宅の建設に力を入れるべきであり、住宅購入制限を過度に強調するのではなく販売制限に改めるべきだ、と指摘した。
住宅問題について厲氏は、まず大量に低所得者向け住宅を建設するべきで、そうすれば多くの庶民が落ち着いて住める家を手に入れられる、とした。「政府は今まさにこれに取り組んでいるが、長期的に続けていくべきだ。毎年出生数が増えるからだ」。
「また、大量の農民が都市へと移住しようとしている。都市に移住すれば住む家が必要になる。したがって低所得者向け住宅は建設分野において最も重視されなければならない」と厲氏は言う。
同時に厲氏は、住宅購入制限をこれ以上強調するべきではない、との考えを示した。公民には家を買う権利があり、地域による差別があってはならない。地域ごとの差別は短期的な政策としてならいいが、長期政策としてはよくない。「購入制限ではなく販売制限にするべきだ。シンガポールのやり方を参考にして、住宅購入はいいが、買った後の販売には制限を設ける。そして購入後一年以内に売った場合は、重税が課せられるようにするべきだ」。
厲氏は、販売制限をしっかりとやり、購入制限は状況に応じて定めるべきだと指摘した。厲氏は次のように主張する。仮にある世帯が現在所有している60平方メートルの住宅のほかに40平方メートルの住宅をもう1軒持っていた場合、その子女が成長したらまた新しい家を買う必要が出てくる。1世帯で2物件しか住宅を持てないように制限すると問題が生じる。したがって購入制限より販売制限のほうがよい。
「北京週報日本語版」2011年3月9日 |