商務部の陳徳銘部長は7日に北京で行われた、第11次全国人民代表大会第4回会議の「消費の促進と対外経済貿易」をテーマとする記者会見に出席した。
陳部長は次のように述べた。
今年の対外貿易情勢は全体的に順調だが、不確定性も多く存在し、全体として「輸出の安定、輸入の拡大、黒字の減少」を堅持しなければならない。
輸出については、世界に多くの不確定要因が存在しており、国際経済の復興の基礎もまだ固まっていない。一部の主権債務国と金融システムの潜在的な問題が消滅しておらず、国際市場における大口商品の価格とレートの変動はかなり大きく、保護主義も引き続き台頭しており、国際貿易の増加幅は縮小することが予想される。国内情勢をみると、中国も原材料の高騰、労働力コストの上昇、一部での労働力不足といった困難に直面しており、省エネ・環境保護の要求も一層高くなり、各種のコストが後押しする要因も増加している。よって、中国の輸出に対する基本的な判断は、増加はするが増加幅はそれほど大きくないというものだ。
輸入については、国は構造調整の取り組みを加速させると同時に、自由貿易圏戦略を推進し、輸入の利便化を促進する措置の実施を加速させている。よって今年は輸入の増加幅が拡大し、輸出より大きくなることが予想される。おおまかな判断によると、今年の貿易黒字の国内総生産(GDP)に対する比率は前年より低下する見込みで、月によっては貿易赤字が発生する可能性も排除できない。
中国の貿易黒字は減少傾向にあるが、2010年に発生した約1800億ドルの貿易黒字のうち、99%が対米貿易黒字だという点には注意が必要だ。よって中国と米国がひざを詰めて二国間貿易のバランスについて話し合うことが極めて重要になる。われわれはここ2年間、非常に注意を払って米国からの輸入を拡大し続け、二国間貿易を改善するとともに、誠意を十分に示してきた。われわれはこうした誠意が米国側のよい反応を呼び起こすことを願う。米国が中国に対する輸出制限の法案を取り消し、米国のより多くの企業が公平な待遇を受けられるようになり、これらの企業の製品が中国に輸出されるようになることを願う。そうすれば米国の失業率が改善するだけでなく、米国経済の復興も加速し、両国の貿易も一層バランスの取れたものになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年3月8日 |