中国経済が「中レベル所得の陥穽」に陥る可能性は小さいだが、今後は高い経済成長ペースをひたすら追求するべきではない。全体的なニーズの角度からみると、十二五計画では、中国の貿易収支が基本的にバランスすることがうち出されており、これは輸出による成長への貢献が低下する可能性があることを示している。供給の角度からみると、今後数年間、中国の毎年の労働力供給量の新規増加分はゼロに低下する可能性があり、長期的に経済成長を支えてきた人口のメリットが徐々に減少するとみられる。こうした要因はいずれも経済成長の潜在力を引き下げる可能性があるものだ。
十二五期間の経済成長目標値は7%で、過去の経験からみると、最終的な実質成長率は目標値を上回るとみられる。8-9%ほどになれば、適切なペースだと言える。
一方、十二五期間の財政・通貨政策は中立を保たなくてはならない。これまで財政予算は工業建設、インフラ建設に多く用いられてきたが、これからは雇用の促進といった公共サービス分野により多く使用した方がよい。サービス業の発展、特に生産型サービス業の発展がスピードアップするとみられる。また戦略的新興産業には大きな発展の可能性があるとみられる。
通貨政策では、十二五期間には金利水準が現在のペースを土台として、上昇する可能性が低下する可能性より大きい。国は引き続き貸出金政策を調整し、改善する計画で、貸出限度額をしっかりと管理し、人民元レート形成メカニズムの改革を一層推進し、資本市場の健全な発展を、とくに債券市場の健全な発展を促進する方針だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年2月28日 |