国務院の温家宝総理(中共中央政治局常務委員)は27日午前、中国政府網と新華網の共同取材を受け、ネットユーザーとオンライン交流を行った。
温総理は人民元レートの問題に関するネットユーザーからの質問に答え、以下のように述べた。
社会主義事業の発展においては、人民元レート改革を少しずつ推し進め、さらに人民元レートの柔軟性を高める必要がある。しかし我々は、人民元レート問題の政治化には反対する。
1990年代中期から計算すると、人民元の実質実効為替レートはすでに53%上昇している。2005年のレート改革から計算すると、人民元対米ドル実質実効為替レートは22%上昇、昨年6月のレート改革から計算すると3.7%上昇している。
人民元レートの上昇幅は我々の経済の要求に符合し、人々の利益にも符合する。しかし、「50%が加工貿易、50%以上が外資系企業または合資企業」という中国対外貿易の特徴により、人民元レート上昇に向けては漸進性を保たなければならない。
人民元が一度に大幅上昇すれば、多くの加工企業が破産または経営不能となり、対外貿易企業の注文が他の国にまわされ、国内の多くの労働者が失業するだろう。しかもこれらの労働者の多くは出稼ぎ労働者だ。
このため、我々は人民元レート改革を絶えず進めなければならない。つまり、管理変動相場制を実行し、米ドル単一通貨へのペッグ制を取らず通貨バスケットに連動させ、さらに市場ニーズの変化に合わせて人民元相場の柔軟性を絶えず強めなければならない。ただし、我々は慎重に、段階的に、漸進的にこれを実施し、企業を少しずつ適応させつつ、社会全体の安定を保持しなければならない。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年2月28日
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