(2)「中国医学」で「三高」を治療
不動産価格の高騰、物価の高騰、コストの上昇という「三高」の問題を解決するには、「バランスの術」が必要であり、段階を追って徐々に治療を進める「中国医学」のやり方を見習い、政策をさまざまに組み合わせ、短期的な応急措置の実現と長期的なメカニズムの構築とを結びつけ、マクロ調整の有効性、柔軟性、的確性を強化する必要がある。
具体的には、需給管理を強化し、市場における有効な供給の保障と不合理な需要の抑制とを同時に進める必要がある。不動産価格高騰の問題を解決するには、不動産調整政策の安定性を維持すると同時に、多層的な住宅供給システムを積極的にうち立て、多様なニーズに対応し、大軍が争って丸木橋をわたるような情況を改めなければならない。住宅は多層的な供給システムを形成する必要があり、多様化を通じて、さまざまな層の多様なニーズに対応しなくてはならない。また国内対策と対外的対策を同時に進め、流動性の回収や誘導を実体経済に結びつけて、過剰な流動性によるダメージを緩和しなくてはならない。
(3)求人難、市場は否応なく経済モデル転換へ
求人難という発展の曲がり角に到達し、労働力コストが上昇したことが、中国の経済発展モデル転換の重要なエネルギーとなっている。ある資料によると、2010年に国内の多くの都市で最低賃金が引き上げられ、平均で22.8%増加した。ここから、中国の安価な労働力の時代はすでに終わりつつあり、長年にわたる安価な労働力に頼っていた経済発展モデルはもはや維持できなくなったことがわかる。
具体的にいうと、戦略的な新興産業、サービス産業、インフラ産業の発展に力を入れて、新しい経済の成長源を育成するとともに、ローエンド産業のミドルエンド・ハイエンド産業への転換を達成させ、世界のバリューチェーンにおける競争力向上をはからなくてはならない。
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