――「十二・五」経済目標の達成に必要な措置は?
(一)産業構造の最適化とグレードアップ
まずは、近代的サービス業の発展を加速するべきだ。市場化、産業化、社会化という方向を堅持し、主に生産者向けのサービス業を大いに発展させ、サービス業増加値のGDPに占める割合と、サービス業就業者の社会全体の就業者総数に占める割合を高め、2015年までに知識密集型サービス業増加値のGDPに占める割合を2007年の10.6%から13%以上まで高める。
二つ目は、ハイテク産業をグレードアップすることが必要だ。情報、バイオ、新素材、航空宇宙、海洋などの産業を重点的に発展させる。ハイテク産業が組み立て製造から自主研究開発、インテグレーションへと進化していくのを促し、ハイテク産業増加値のGDPに占める割合を高める。自主知的財産権と有名ブランド、国際競争力を持つ企業がトップ500社、世界のトップ企業2000社に入れるよう支援する。
三つ目は、現代産業体系の発展が必要だ。情報化と工業化の融合を大いに推進し、全体的技術レベルと総合力をアップし、産業をより一層発展させる。
四つ目は、グリーン産業を大いに発展させる必要がある。資源消費が少なく、環境汚染が少なく、経済効率のよいグリーン産業の発展を加速し、新たな経済成長ポイントを育てる。高エネルギー消費産業(鉄鋼業、建材・非金属鉱業、化学工業、石油化学工業など)の発展を厳しく制限する。
五つ目は、インフラの近代化を促進することが必要だ。近代的インフラ建設を加速し、インフラの高速化、新型化、情報化を促進し、高速鉄道網、高速道路網、天然ガス原油製品輸送網、次世代送電網、情報網など五大近代化インフラネットワークの建設を推進する。
(二)革新型国家の建設
全面的革新を大いに推進し、情報、生命、ナノ、グリーンエネルギー、空間、海洋などの分野で他国よりも先に手を打ち、優位性を持つ分野に力を集中し、さらに力を注いで、重大な飛躍的進歩を遂げるよう努める。
さらに、国家革新体系の建設を加速する。国は公共知識、基礎研究、先端技術研究と社会公益性科学技術研究を大いに支持し、資金援助を強化する。
また、企業を主体とした技術革新体系の構築を加速する。企業の革新における主体的地位を強化し、企業、科学研究機関、大学などによる研究開発連合体の設立を促す。知的財産権産業を大いに発展させ、知的財産権制度を完備し、技術標準体系を整備する。
そして、グリーン革新を促進する。世界各国と共同で世界的気候変動に積極的に対応し、知識的貢献をすると同時に、グリーン貢献も行う。
(三)開放型経済レベルの向上
それには、貿易発展方式の転換を加速する必要がある。輸出構造を最適化し、輸出製品の付加価値を高める。プロジェクトの請け負い、設計コンサルティング、技術移転、金融保険、国際運輸、教育研修、情報技術、民族文化などサービス業の輸出を拡大する。先進技術、キーデバイス・部品や国内で不足しているエネルギー、原材料の輸入を拡大する。
次に、国際経済一体化に積極的に参画する必要がある。国内の地域計画と国際的地域経済協力とを結びつける。各国との間に二カ国間、多国間の経済貿易協力を展開し、多国間貿易や投資ルールの制定に積極的に参画し、国際経済新秩序の構築を推進する。
さらに、国際経済リスクを低減する必要がある。輸出貿易リスクを低減し、輸出信用保険政策を整備し、輸出信用保険のカバー率を高める。外貨準備リスクを低減し、外貨資産の多元化レベルを高める。
(四)地域の協調的発展の促進
地域発展全体戦略を実施する。西部大開発をさらに推進し、東北地区など以前からの工業基地を全面的に振興し、中部地区の台頭を大いに促進し、東部地区が他よりも早く発展できるよう積極的に後押しする。
(五)都市と農村の一体化推進
近代農業を積極的に発展させ、国の食糧安全と農産品の効果的な供給を確保する。公共財政がカバーする農村の範囲を拡大し、社会主義新農村を建設する。都市と農村の一体化改革を加速する。
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