本誌記者 蘭辛珍 于淑均
2011~2015年、中国は第12次五カ年発展計画(以下、「十二・五」と略)期間に入る。ポスト金融危機時代において、中国経済はいかにして持続的成長を確保するのか?「十二・五」期間に中国経済はどこへ向かっていくのか?本誌記者はこうした問題について、清華大学公共管理学院教授で中国科学院・清華大学国情研究中心主任の胡鞍鋼博士にインタビューした。
胡鞍鋼氏
――「十二・五」計画の国内的な背景は?
「十二・五」期間に中国は依然として発展の黄金期にあり、「新五化」(新型工業化、新型都市化、知識情報化、インフラ近代化、世界経済一体化)が急速に進み、互いが互いの需要をけん引し、供給を支え合って、中国の全面的高度成長の五大原動力となっていくだろう。中国経済は依然としてやや速い成長を維持し、潜在成長率は8~9%になると見られる。
「十二・五」期間は中国の科学発展モデルが転換する重要な時期でもある。いかにして人と自然との対立を抑えるかが、大きな挑戦となるだろう。
収入分配構造の調整も重点となる。現在、富める者はより豊かになり、貧しい者の所得はわずかという両極化した状況にあり、中国にとって厳しい試練となっている。「十二・五」期間にこの情勢を転換できるかどうかが、社会の公平性や正義を維持し、社会の安定を守り、消費需要を拡大するための鍵となるだろう。
この期間に、社会管理能力の増強と、公共サービスと基本的社会保障のカバー率の拡大に伴って、「以人為本」(人間本位)の科学発展観が堅持され、社会主義和諧社会(調和のとれた社会)が構築される。全体的に見れば、社会矛盾、特に発展の過程で発生する矛盾は解消されていくだろう。
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