(四)省エネ・環境保護と気候変動対策への取り組みがさらに強化された
省エネ・排出削減事業は新たな成果を収めた。中央の投資と奨励資金を用いて一三一八の重点省エネプロジェクトを支援し、これによって年間七五〇〇万トンの標準炭に相当する省エネ能力を生み出した。省エネ建築の新規整備面積は年間九億六〇〇〇万平方メートルに達し、これによって九〇〇万トン標準炭に相当する省エネ能力を生み出した。財政補助の方式を採用して、高効率・省エネ室内空調機(固定周波数)五〇〇余万台と高効率照明器具一億五〇〇〇万個の普及が達成され、北京、上海、重慶など一三の都市では省エネ・新エネルギーカーのモデル事業が好調に進んでいる。中央投資を用いて循環型経済と資源節約に資する一三二の重点プロジェクトを支援した。「全国民省エネ・排出削減推進キャンペーン」などの宣伝活動を深く繰り広げた。単位GDP当たりのエネルギー消費量は二・二%減少し、二酸化硫黄排出量と化学的酸素要求量(COD)はそれぞれ四・六%、三・三%減った。工業付加価値一万元当たりの水使用量は八・二%減少し、計画目標を二・六ポイント上回った。工業固形廃棄物の総合利用率は六六・六%に達し、前年に比べ二・三%上昇し、計画目標を〇・七ポイント上回った。
生態系整備と環境保護への取り組みを強化した。天然林資源の保護や防護林システムの整備、耕地の林地復元、北京・天津周辺の風砂発生源地域の整備、牧場の草地復元などの重点生態プロジェクトを積極的に推進し、造林面積は五八八万五〇〇〇ヘクタール、森林カバー率は二〇・三六%に達した。重点地区の水土流失対策を絶えず強化し、カルスト地区における石漠化の総合対策プロジェクトを発動させた。「三つの河」(淮河、海河、遼河)と「三つの湖」(太湖、巣湖、滇池)などの重点流域における水質汚濁対策と工業廃水・廃ガス対策は順調に進められている。全国都市部の日間汚水処理能力は一三三〇万立方メートル、日間ゴミ処理能力は五万トン新規増加し、都市の汚水処理率と生活ゴミ無害化処理率はそれぞれ七二・三%、六九%に達し、前年に比べ二・一ポイント、二・二ポイント上昇して、計画目標を三・三ポイント、二ポイント上回った。十一の業種別クリーン生産評価指標体系を公布し、さらに一億二〇〇万キロワット相当の火力発電設備が脱硫装置を設置し、累計で火力発電設備総容量の七二%を占めることになった。
気候変動対策への取り組みは新たな進展をとげた。国家案を真剣に実施し、クリーン開発メカニズム事業を大いに推進し、気候にやさしい技術の研究・開発と応用を積極的に推し進めた。わが国の二〇二〇年までの温室効果ガス排出抑制行動目標が打ち出された。気候変動対策の国際交渉と国際ルールづくりに建設的に参加するとともに、国際交流と事業提携を積極的に展開し、関係各国との協力、対話の強化に努め、わが国の発展の正当な権益を守った。
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