(七)改革をゆるぐことなく推し進め、対外開放をいっそう拡大する
今年は引き続き重点分野と肝心な分野の改革を深化させ、新たな突破を遂げるよう努めなければならない。
われわれは引き続き国有経済の配置と構造の戦略的調整を推し進めなければならない。大型国有企業、特に中央所属企業の親会社の株式制改革を加速し、所有権の多元化を実現し、コーポレート・ガバナンス構造を健全化させる。独占的な業種の改革を速め、公共事業の改革を促し、市場参入の基準を着実に緩和させ、競争メカニズムを積極的に導入する。多種類の所有制経済の公平な競争を確保する市場環境づくりに力を入れ、非公有制経済の発展をよりよく促進する。
資源関連製品価格と環境保護とかかわりのある料金徴収の改革を深化させることはエネルギー資源を節約し、環境を保護し、持続可能な発展を実現するための重要な措置である。大口ユーザーと発電企業の直接取引モデル事業を推し進め、住民の生活用水・電気の段階式従量料金制を実行し、再生可能エネルギー発電電力の価格決定・費用分担メカニズムを健全なものにしなければならない。農業用水価格政策を完備させる。汚水処理やゴミ処理の有料化体制を改革する。汚染物質の排出権取引の試行テストを推し進める。これらの改革を推し進めるに当たって各方面の利益関係の調整に気を配り、決して低所得層の基本生活を脅かしてはならない。
引き続き財政・租税体制の改革を推し進めなければならない。公共財政体系を健全化させる。財政の移転支出制度を充実させ、一般的移転支出を増やし、地方政府による基本的公共サービス能力を強化する。省クラス以下の財政管理体制を充実させ、県クラスの基本的財政力保障メカニズムを健全なものにし、省が県財政を直接管理する財政管理方式の改革を推し進める。中央と地方政府系基金の予算編成を全面的に行い、社会保険基金の予算編成を試行し、国有資本経営の予算制度を充実させる。財政予算の透明度を高める。引き続き付加価値税の消費型への転換を立派に行う。資源税の改革を推進する。国内企業、外資系企業及び個人に課す都市整備税・教育費付加制度の一本化をはかる。
金融システムを充実させることは国際金融危機のインパクトに対応するための重要な措置である。引き続き国有持株金融機関のコーポレート・ガバナンスを充実させ、経営管理メカニズムを改善し、リスクの管理・制御能力を向上させなければならない。引き続き政策的金融機関の改革を推し進める。資産管理会社の商業化をめざす転換を着実に推し進める。農村協同組合の改革を深化させる。中小金融機関の規範化と発展を推し進める。金融市場を大いに発展させ、金融分野の革新を奨励する。クロスボーダー取引における人民元建て決済の試行作業を推進し、海外での人民元建て金融業務を逐次発展させる。預金保険制度づくりを推し進める。農業保険の発展を速める。
政府と事業体、事業体と企業、管理と運営の分離という要請に応じ、科学的に区分けした上で事業体の改革を積極的かつ着実に推し進めなければならない。
われわれの改革は全方位にわたる改革であり、経済体制や政治体制およびその他の諸分野の改革が含まれる。政治体制の改革がなければ、経済体制の改革と現代化建設は成功を収めることができない。社会主義民主を発展させ、人民の主人公としての民主的権利、とくに選挙権、知る権利、参画権、意思表示権、監督権を確実に保障しなければならない。末端の民主をいっそう拡大し、末端における自治組織と民主管理制度を健全なものにし、広範な大衆が末端の公共事務管理によりよく参与できるようにする。法律に則った国政と行政をおこない。法制を健全化させ、とくに権力行使を規範化させ、監督する法律、制度づくりを重視しなければならない。政府立法作業の方法とメカニズムを革新し、立法作業への公衆の参加を拡大する。
われわれは国際情勢の変化と国内の発展の要請に全面的に応えて、対外開放をより広く、より深く進めなければならない。
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