全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が14日、閉幕した。海外のメディアや学者らは今大会の成果を高く評価し、閉会後に開かれた記者会見で温家宝総理が世界に向けて発信したメッセージに注目している。
メキシコ「千年報」は「中国政府は経済の安定が向こう1年で最も主要な課題だと強調した」と伝えた。ブラジル最高軍事学院で国際戦略問題を扱うSeverino教授(中国・アジア太平洋研究所所長)は記者の取材に対し、「国際金融危機の発生後、中国経済が直面している最大の課題は安定した急速成長をいかに維持するかということだ」と指摘。中国首脳が先手を打って、経済発展パターンの転換や環境保護の強化、低炭素経済の発展、および都市部と農村部の格差是正を打ち出していることに注目し、「これらの政策は中国経済の持続可能な発展を妨げる主な障害を取り除くことにつながる」との認識を示した。
「美華商報」は特別版に論評を掲載し、「全人代に世界が注目している」と指摘。「中国政府は改革と開放をさらに深める方針を改めて表明し、対外開放に向けた確固たる決意が世界に再び伝わった」と報じた。
世界の各主要メディアも温総理の記者会見について、直ちに報道した。ロイター通信は人民元の安定維持に関する温総理の発言に注目し、人民元レート、世界経済、中国経済の回復、貿易問題、対外政策などについて、総理の言葉を直接引用して伝えた。
AP通信は「国際経済危機の新たな動向に対して警戒を保ちながら、経済回復の兆しを確かなものとし、リバウンドの防止に努める」との発言に注目、温総理が経済建設を引き続き重点とする方針を示したことを強調した。報道によると、中国は国際事務において“攻撃的なリーダーリップ”を求めてはいないという。そのほか、温総理の言葉を引用し、「台湾への兵器売却やダライ・ラマとの会見などといった米政府の行為は中米関係に影を落とした。責任は完全に米国側にある」と伝えた。
共同通信は「温総理は人民元相場について過小評価されていないと指摘、今後も安定維持を図る考えを強調した」と報じた。NHKは「経済構造の調整と発展パターンの転換を実現し、インフレの抑制に取り組むことを特に強調した」と伝えた。
「人民網日本語版」2010年3月15日
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