毎年両会のたびに、外国人記者が多数取材に訪れる。今年も同様だ。両会の会場や記者会見場で、忙しげな彼らの姿を目にすることができる。彼らは両会の報道を通じて中国を理解し、外国の人々の中国観にも影響を与える。ここ数日、外国人記者の一部が、両会を取材して感じた事やその状況を、本紙記者に伝えてくれた。彼らは両会の代表・委員は民生や経済・社会発展上の問題を非常に重視していると指摘する。
■ドイツ紙「ディ・ヴェルト」とオーストリア紙「デア・スタンダルト」の駐北京記者
両会中は外国人記者にとって最も忙しい時期となる。両会の日程や議題を注視し、すぐに記事を編集部に送らなければならない。私たちの報道の重点は、中国の経済、外交、法律だ。代表・委員が最も重視している問題は民生だ。物価から住宅価格まで、教育から医療改革まで、雇用から所得分配まで、こうした民生上の難題は、まさに今日の中国民衆の関心の焦点を言い当てている。だが私は、こうした問題が今年の両会で初めて取り上げられたものではなく、人々が以前から注視し、考えてきたものであることに目を向けている。現在の最大の鍵は、こうした手を焼く問題を解決するために中国政府がどのような的確な措置を講じるかだ。中国政府は経済成長パターンの転換の加速、エコ産業の力強い発展、経済成長の質と効益の向上を決定した。これは賢明な選択だと思う。中国が持続可能な発展を実現できるかどうかは、これにかかっているからだ。
■ベトナム新聞社の駐北京記者
両会の取材はこれが3回目。今年の両会は民生や経済・社会発展の問題を非常に重視していると思う。昨年中国は、産業構造の調整や経済成長パターンの転換などの措置によって、世界金融危機による悪影響から脱し、「8%成長維持」の目標を達成した。中国政府は今年も「8%成長維持」を打ち出している。この目標の達成を確保することは、雇用の保障や社会の安定の維持にとって重要な意義を持つ。中国は必ずこの目標を達成し、さらには目標以上の成果を上げることもできると私は信じている。中国には、発展の過程で生じる様々な問題をしっかりと解決し、さらに社会進歩を促す能力がある。
■パキスタン「APP通信」の駐北京記者
今年の両会の議題は発展、雇用機会、低炭素経済、農村医療など中国の一般民衆に関わる経済・社会問題をより集中的に反映している。このうちホットな問題は、やはり両会の代表・委員や民衆の関心が非常に高いものだ。貧富の格差の拡大、住宅価格の高騰、汚職などの試練に対処するため、両会は新たな目標を打ち出した。たとえば温家宝総理は政府活動報告の中で「反腐敗・清廉提唱建設を重要な位置に据え、政務公開を踏み込んで推進し、人民が政府を監督できる環境をつくる」と表明した。また、ある代表は、経済や社会の発展に適応し、労働者の資質を全面的に高め、再教育・再就業を促進するために、職業教育法を近く改正することを提言した。最高立法機関もこれに積極的な反応を示している。
「人民網日本語版」2010年3月12日
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