中国の今後に関する議論が現在、2つの場所で行われている。その一つは全国人民代表大会と政治協商会議の両会(日本の国会にあたる)、もう一つはインターネットの掲示板で・・・。代表や委員らが人民大会堂で温家宝総理の政治活動報告に耳を傾けている時に、人民網ではネットユーザーが新鮮な話題に関して自らの意見や提案などを持ち寄り、熱い議論を展開している。カナダの「グローブ・アンド・メール」紙は北京現地からの報道として中国の両会について、こう解説している。
これまでの両会に比べ、今年の両会は開幕する前からネットがうまく活用されていた。敏感な外国メディアもこの変化に気づいたようだ。
韓国聯合通信社が両会前に評論を発表し、中国メディアや主要ポータルサイトは次々と両会で焦点となる議題についてネットユーザーに意見を求め、中国政府にその意見を反映し、できるだけ民意を反映できるよう努力しているとし、全国人民代表大会常務委員会のメンバーが昨年8月に初めてネットユーザーと直接オンライン交流し、有名サイトが代弁する民意を集めているとも報じた。BBC中国語サイトは「e両会」という言葉を使ってメディアの参加と一般市民の政治に関する白熱した議論は西側では見られないことだと報じた。
西側の多くは、中国で「ネット上での政治議論」がここまで盛んになるとは思いもしなかった。10数年前、「中国崩壊論」が西側で出たが、その根拠のひとつが、中国が「インターネットの重さ」に耐えられないということだった。ところが人々が想像するような変化は中国では起きず、逆に一般市民の政治参加の機会が増え、様々な問題が解決されたほか、世論による監督が強化され、清廉政治の建設促進につながり、中国の民主政治の発展を後押しする結果となった。
「中国崩壊論」の自滅に伴い、外国メディアの中国のインターネットに対する見方も徐々に公正かつ客観的に変化してきている。中国の生の政治ニュースを報道したい外国人記者にとって、中国の「ネット世論」は必須科目といえる。
「人民網日本語版」2010年3月10日
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