本誌記者 王文捷
関連文化構造調整の問題を語る馮驥才政協委員(撮影:王文捷)
中国文聯副主席、中国民間文芸家協会主席を務める馮驥才全国政協委員は3月6日、北京で次のように語った。
「いま、『文化を大いに発展させ、強化する』ことを提起しているところが多いが、『文化を精緻に、細やかに、深化させる』と言うほうがいいと私は思う。文化事業にしっかり力を入れるには、いくつかの大型文化公園の建設や大型文化フェスティバルの開催を通じて簡単に実現されることではない」。
「文化とは何か。文化の本質とは何か。文化は社会の中でどんな役割を果たすのか。今年の政府活動報告はこれらの問題に非常にうまく回答している。温総理はこう述べている。『文化は民族の精神であり魂であり、民族が真の力をそなえる決定的要素であり、一国の発展過程に深い影響を及ぼし、民族の運命を変えることができる。先進的文化の発展、全民族の文明的資質の向上がなければ、現代化を真に実現することはできない』」。馮驥才政協委員は「これは今後、文化事業にしっかりと力を入れる上で最も主要な思想となる」とし、次のように述べた。
立体的ではっきりした文化構造に欠けることは、現在中国の文化発展が直面する重要な問題である。「ちょうど経済を発展させるように、文化事業も具体的な方針や政策、戦略的思考が必要である。私は一貫して、底部は大衆文化で、中間層は中級文化、ピラミッドの最上部は文化の最高峰であるという文化事業のピラミッド構造を強調してきた」。
馮驥才委員によると、一国の文化には必ずその最高峰があるべきで、それはピラミッドの最上部のように一国の文化が達成することができるその時代のレベルの高さを示している。それは大勢の優れた芸術の大家、芸術分野のエリート及び最高水準の作品を有していることや、国家級の文化芸術機関、施設及び歴史文化遺産があることにも体現されている。「季羨林氏と任継愈氏の逝去によって、文化界は寂しくなった。私達は一時的には大家たちが私たちから遠く離れ去ったことを感じ取った。しかし、心を静めて再び見てみると、実際には周囲にこれほど多くの大家ひいては巨匠がいることに気付いた。大家が欠けていたのではなく、大家に対する認識が欠けていただけだったのだ」。
現在、文化の極端な商業化問題は非常に深刻だ。「私達はいつも文化と文化産業を同列に論じているが、実際には二者に区別がある。文化産業は大衆向けの消費であり、文化ピラミッドの底部に位置するものだ。何でも文化産業に組み入れられるものではなく、1つの民族文化の最高峰は産業化されることはできないだろう」。
伝えられるところによると、2004年、国家統計局は中央宣伝部や国務院の関連部門との共同研究をベースに、「文化と関連産業分類」を策定し、中国の実情を結び付けて、文化及び関連産業の概念を「社会や大衆のために文化、娯楽製品及びサービスを提供する活動及びこれらの活動に係る活動の集合体」と定義づけた。
「主な精力を文化のピラミッドの最上部に注ぐべきだ。国の歌劇院、楽団、京劇団、舞踊団及び各種の芸術研究機関などは一つも欠くことができない」と馮驥才委員は語った。
「北京週報日本語版」2010年3月12日
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