中国新聞社:2010年は21世紀の次の10年の始まりであり、この10年の国際情勢の変化と中国の外交の重点と注目点、また今後について。
楊部長:21世紀に入ってからの10年は、危機と変革の10年であり、協力と発展の10年でもあった。この10年には数多くの重要な出来事が発生した。例えば、米国同時多発テロ事件やイラク戦争、国際金融危機、発展途上国の全体的な実力の上昇などだ。こうした出来事により、国際関係や国際情勢が大きく変化し、世界は今、多極化、多国間主義、国際関係の民主化に向かって発展していると考えられている。
それと同時に、気候変動やエネルギー資源、公衆衛生への対策など、世界的な挑戦もますます際立っている。またより多くの国が、「冷戦の考え」や「ゼロサムゲーム」といったイデオロギーは時宜に合わせず、力を合わせて難関を切り抜け、互い力を合わせて双方にプラスになることこそが、生存と発展の道だと認識している。
この10年は、中国の外交事業が盛んだった10年でもある。特にここ数年は、北京オリンピックの開催を成功させ、効果的に国際金融危機による影響を克服し、気候変動問題では積極的に対策を講じるなど、重要で建設的な役割を果たした。そのため世界はより一層、中国に注目し、さらに国際社会での中国の建設的な役割を重視している。
中国はこの10年、各国との友好や互恵関係の協力関係を全面的に推進し、世界各国と共に積極的に様々な世界的な挑戦に対応して、国際秩序がより公正で合理的な方向に向かうよう推進してきた。
今年は引き続き国際金融危機の対策を行い、世界経済の回復を推し進める重要な1年である。中国は続いて国家主権や安全、発展の利益を守り、全方位外交を推し進める。特に今年は「サミット外交(サミットを通じて外交活動を展開)」と、「万博外交(上海万博を通じて外交活動を展開)」をよく行い、中国の安定維持や発展促進、構造調整により良い外的環境を構築していく。
中国は発展中の大国として、かつてないチャンスに直面しているが多くの挑戦にも直面している。中国経済の発展や国力の増強に伴い、中国は力の及ぶ限り世界や地域の平和や安定、発展のためにより大きな貢献をしていく。
ロシア・インターファクス通信社:今のロシアと中国の外交関係について。また今後、中国側はいかに中ロの各分野の協力を強化するのか。現在のロシアと中国のエネルギーの協力状況について。
楊部長:中ロ関係は、中国外交において優先的に発展させる一つだ。両国の実務協力の前途は非常に広い。両国は昨年、石油、天然ガス、石炭、電力、原子力、高速鉄道などの分野で、一連の重要な合意に署名した。また関連プロジェクトも順調に実施されている。今年末には、中ロ原油パイプラインの完成も見込まれており、来年には運営の予定だ。
両国とも中国の東北地域とロシア極東、東シベリア地域の協力を重視し、一連の国境地域のインフラ建設プロジェクトの推進に合意した。こうしたことは模範的な意義があると私は思っている。
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