全国政治協商委員会(政協)の周文重常務委員は第11期全国政協第3回会議で提出した文書の中で、ポスト危機時代は中米の経済貿易摩擦が増し常態化する傾向にあるものの、それに伴い新たな発展のチャンスが生まれると指摘した。
周氏は在米国中国大使の職を退いたばかり。現在全国政協常務委員として第11期第3回会議に出席している。この中国の経験豊富な外交官は、ポスト危機時代の中米経済貿易関係に直面する困難と課題は増えると予測する。
この見通しは米国経済の今後の低成長予測に基づくもので、米国など先進国の経済が正常な成長を回復するにはあと4、5年かかると周氏はみる。この間、各国の輸出競争は激しさを増し、貿易摩擦の増加も避けられない。米国内の高失業率やドル安のほか、米議会中間選挙など政治的な要素も直接的または間接的に貿易摩擦の可能性を高める。
これらの理由から周氏が出した結論は、ポスト危機時代に米国内で「中国経済脅威論」が再び熱を帯び、中米両国の貿易と投資の増加ペースが鈍化し、貿易や為替レート、知的財産権など様々な面で摩擦が増え、それが常態化していくということだ。
一方で中米関係は30年以上の発展を経て、すでにお互いになくてはならない利益融合の形を形成している。協力と交流が依然として中米経済貿易関係の主流で、両国の共同利益のほうが意見の違いよりも多いため、双方の経済・貿易関係はポスト危機時代に新たな発展のチャンスと協力の可能性に直面するという。
中米関係の推進者、経験者として周氏は、ポスト危機時代の中米両国はいずれも経済刺激策の維持と経済戦略構造の調整という2つの難題を遂行しなければならないという共通点があり、その過程で両国が手を携える新たなチャンスと分野が誕生するという。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年3月4日 |