本誌記者 曾文卉
今年32歳の朱雪芹さんは上海のあるアパレル企業からきた農民工(農村からの出稼ぎ労働者)の代表だ。本誌記者は3月7日、農民工の就業や農民工の子女の教育問題について全人代・政協会議に参加する朱雪芹代表にインタビューした。
―― 一人の農民工の代表として、農民工のどんな切実な利益に関心を寄せているのか。
今年、一番関心をもっているのは農民工の育成・訓練、就業だ。多くの農民工は相対的に技術が単一で、文化レベルがあまり高くない。農民工が技術型、技能型へと発展していくようにするため、彼らに対する職業育成・訓練を強化すべきだと思う。現在、政府は単に就職の育成・訓練を受けさせるだけでなく、農民工に向けて各種の職業教育を行っており、彼らに“生きている限り学習し、やり続ける”という一生学ぶ理念を確立させようとしている。そのほか、私はすべての企業が農民工に対する育成・訓練を重視するよう望んでいる。というのは、どのような人材が必要であるかをよく知っているのは企業だけだからだ。
――朱さんの働いている企業は軽工業・紡織工業に属するが、金融危機の打撃を受けたか。また、会社は今年人員を削減するか。
私達の会社が今年受け取った注文書は08年に比べてやや増加している。会社は現在、募集を拡大している。私たちの揚州分工場でも生産労働者を50人も募集するほか、営業・販売係を募集する予定だ。
――温家宝総理はこのほど、中国政府ネット、新華ネットの共同特別取材を受け、ネットユーザーとオンラインで交流を行った際に、農民工子女の都市部の学校への入学という問題に政府はずっと関心を寄せている、と語った。この問題は適切に解決することができると思うか。
温家宝総理の今年の「政府活動報告」の中では農民工子女の教育に関する問題が多くの紙面を占めている。報告の中では、都市と農村において義務教育の無料化政策を着実に実行し、農村義務教育の公用経費の基準を引き上げ、農民工子女が就労地で無料の義務教育を受ける問題を逐次解決していくことに言及した。即ち、今年、9年制義務教育の無料化の普及を全面的に実施するということだ。政府がそれほどこの問題を重視している限り、農民工子女の義務教育問題は1歩1歩解決されていくと私は信じている。
今年、私は農民工子女の教育に関する提言を提出した。現在、上海市の50%以上の地区では農民工子女が最寄りの学校へ行くことができるが、戸籍が大学受験に影響を及ぼしている。現在、われわれはさまざまなルートを通じて、農民工子女に平等に大学教育を受けさせようとの願いを政府に伝達しようとしており、政府が近いうちに答えてくれることを信じている。
朱雪芹さんのプロフィール
1995年に高校を中途退学し、江蘇省雎寧から上海華日服装有限公司に入社。最も末端の縫製工から仕事を始めた。その期間2回、日本へ研修に来たことがある。現在、同公司労働組合の主席および日本語の通訳を務め、2008年に全人代の代表に選ばれた。
「北京週報日本語版」2009年3月12日 |