「香港テレビ局」記者:香港で人民元建て決済業務がいつ開通するかに、香港の人々は注目している。また、本位通貨建て決済のテスト拠点はいつ開通するのか。この面において困難はあるのか。以前に中国人民銀行は香港金融管理局(HKMA)との間で通貨交換メカニズムを構築したが、これまでにどれぐらいの金額を費やしたのか。 周小川総裁:2003年末ごろから、香港は個人向けの人民元業務のテスト拠点を設立し、個人の旅行やショッピングにおいて香港ドルと人民元両方での決算、清算業務を開始した。これを踏まえ、双方は密接な提携関係を保ちつつ、今もこの提携関係は正常に進行している。新たなメカニズムを構築する必要がなく、この枠組みの下で協力をより強化し、本位通貨建て決済のテスト拠点を開通できると考えられる。人民元の使用領域は拡大していくため、当然その業務を拡大する必要がある。
人民元建て貿易決済には大きな困難はないだろう。実際、コンピューターシステムを含む各商業銀行の運営システムでは、もともと様々な通貨が利用可能であったため、さらにもう一種の通貨を増やすのは簡単なことではないだろうか。ここ数年は、辺境貿易において人民元建て決済をする場合も多く、この面ではいくらかの経験を積み重ねている。もちろん、一部の業務システムや政策をやや調整する必要もあるが、人民元建て貿易決済業務は間もなく順調に開通するだろう。
大陸部は、香港金融管理局と本位通貨の交換契約を締結し、双方の金融危機に対する情報交流の強化を目指している。また、流動性に問題が生じた場合も互いにサポートすることができる。現時点では、通貨交換を行うことに値する問題が生じていないため、それがまだ行われていない。次段階で、この面はしだいに発展していくだろう。
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