(この報告については、今会議で最終的に審議、採択され、新華社から発表されるものが基準となる。)
代表のみなさん
ここに国務院の委託を受けて、二〇〇六年度国民経済・社会発展計画の執行状況と二〇〇七年度国民経済・社会発展計画案を第十期全国人民代表大会第五回会議に報告し、審議を求めるとともに、全国政治協商会議の委員のみなさんからもご意見を求めたいと思う。
一、二〇〇六年度の国民経済・社会発展計画の執行状況
二〇〇六年、全国各民族人民は中国共産党の指導の下、科学的発展観並びに社会主義調和社会構築という重要な戦略的思想を真剣に貫徹、実施し、第十期全国人民代表大会第四回会議で審議、承認された国民経済・社会発展計画に則って、改革開放と現代化建設のテンポを速めた。その結果、発展条件はこれまで以上に改善され、発展環境はいっそう適正化し、成長トレンドはさらに上向き、「第十一次五ヵ年計画」も好スタートを切ることができ、小康社会を全面的に建設するという偉大な目標に向かってさらなる着実な一歩を踏み出した。
(一)国民経済の運営は成長テンポが比較的速い、 パフォーマンスが比較的よい、物価水準が比較的低いという良好な状態を保っている。
経済はテンポの比較的速い、安定した成長を保っている。通年の国内総生産(GDP)は二〇兆九四〇〇億元で、一〇・七%増となった。経済成長の安定性は著しく増強され、年度別、四半期別をとわず、GDPの伸び率はいずれもかなり狭い範囲内で変動している。 通年の消費者物価総水準の上昇率は一・五%であり、経済成長率が四年連続で一〇%に達し、或いはそれをやや上回りながらも、物価の上昇率を比較的低い水準に安定させたこと、これはわが国の発展史上まれに見ることである。
経済のパフォーマンスは比較的良好であった。
全国の歳入は三兆九三〇〇億元で、二四・三%伸びた。一定規模以上の工業企業は一兆八七八四億元の利潤を達成し、三一%増となった。単位GDP当たりのエネルギー消費量は一・二三%減少し、これは二〇〇三年以来初めての減少となった。単位工業付加価値当たりの水使用量は九%低下した。
経済運営にみられる一部の際立った矛盾や問題がいくらか緩和された。投資の伸びはいくぶんか低下し、通年の全社会固定資産投資は二四%増で、伸び幅が前半期より五・八ポイント下がり、昨年度より二ポイント低くなった。マネーサプライや貸出総量の伸びが減速しており、年末時点の広義マネー・サプライ(M2)は同期比一六・九%増で、五月末に比べて二・一ポイント低下し、前年末に比べて〇・六ポイント低下した。石炭、電力、運輸の逼迫状態には明らかな改善がみられ、発電所に直接供給する石炭の備蓄量は年末までに二四一一万トンに達し、正常な状態を保っている。一億キロワットの発電設備容量を新規増加し、年間発電量は一三・四%増の二兆八三四四億キロワット時に達し、国家電力網システムの電力供給制限頻度・回線数および電力損失量は、前年度に比べてそれぞれ九七%と八二%減少した。食糧、化学肥料など重点物資の輸送はかなりうまく確保されている。
(二)社会主義新農村の建設は着実に推し進められている。
農業向けの優遇策をさらに充実させた。全国範囲で農業税と農業特産物税を撤廃し、すでに撤廃された家畜屠殺税、牧畜業税など農業に関わる租税・費用を加えると、農民の年間負担額を約一二五〇億元軽減させた。穀物作付農家に対する直接補助や良質種子補助、農機具購入補助および農業資材総合直接補助を実施し、通年の補助金額は三〇〇億元を上回った。財政難を抱える県と食糧主産県への移転支出を増やし、奨励・補助金として二三五億元計上した。食糧最低買付価格の適用範囲は稲から小麦まで拡大した。大中型水利・水力発電プロジェクトの建設に伴う耕地収用の補償基準をかなり大きく引き上げた。
農業支援向けの投入を持続的に増やしている。「三農」(農業、農村、農民)問題の解決に振り向けられた中央財政の支出は三三九七億元に上り、石油特別収益金で充当された穀物作付農家向けの総合直接補助金一二〇億元を別にすると、前年度比四二二億元増となった。農村の生産・生活条件が改善されている。農村飲用水安全プロジェクトの建設に対して、中央財政は前年度の三倍になる六〇億元を投下し、一方で地方財政も約六九億元を投下し、二八九七万人の農民に恩恵をもたらした。農村のメタンガス整備事業に対して、中央財政は前年度の二・五倍になる二五億元を投下し、地方財政は一五億六〇〇〇万元を投下し、メタンガスのユーザーを約四五〇万世帯新規に増加した。農村自動車道路の改造事業に対して、中央財政は一九〇億元、地方財政は二四〇億元を投下し、村間、郷間のアスファルト(セメント)道路をあわせて一二万キロ改造・拡張した。「万村千郷」(二〇〇五年から実施された農村流通網整備に関わるプロジェクトで、財政資金など様々の出資形態を通じて、三年間で全国五〇%の行政村、七〇%の郷鎮をカバーする標準化「農家店」を約二五万店舗設立するという目標を掲げている)という市場プロジェクトを実施し、農家店を一〇万店舗余り設立した。
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